2010年05月31日

大破したアディ・ギル号は「マイライフ(我が人生)」と涙… 活動からは“引退宣言” SS元船長第3回公判(産経新聞)

【法廷ライブ SS元船長第3回公判】(4)

 《女性弁護人の質問に、環境保護を標榜(ひょうぼう)する米団体「シー・シェパード(SS)」の抗議船「アディ・ギル号」元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)はよどみなく答えていく》

 弁護人「アディ・ギル号の現在の所有者は誰ですか」

 被告「アメリカ在住のアディ・ギル(さん)です」

 弁護人「その前はあなたが所有していたのですか」

 被告「はい」

 《アディ・ギル号はもともと、「アースレース号」という名前で、地球一周最速航行を達成するため2005年(平成17年)にスポンサー企業が約250万ドルを拠出して建造した。バイオディーゼルを燃料とし、航行速度40ノット(約72キロメートル)を誇る高速艇だ。元海底油田エンジニアのベスーン被告が船長を務めていたが、海難死亡事故を起こしたことなどから高額な補償責任を負ったベスーン被告はアースレース号を売りに出し、SSがこれを買い取ったという》

 弁護人「アディ・ギル号はどこかから買ったのですか。それとも開発したのですか」

 被告「私が開発しました。ボートを製造する過程で、私が監督しました」

 弁護人「開発チームをあなたが決め、マネジメントしていたということですか」

 被告「はい」

 弁護人「開発にかかった時間は?」

 被告「構想から3年半くらいです」

 弁護人「費用はどのくらいかかりましたか」

 被告「米ドルで300万ドルくらいです」

 《300万ドルは、日本円で2億7千万円以上という大金だ》

 弁護人「どのように資金を調達したのですか」

 被告「家を抵当に入れ、持ち物も売り払いました。また、150万ドルは借金をしました」

 弁護人「その借金は返済し終わっているのですか」

 被告「借金はまだ50万ドルほどあります」

 《私財をなげうって、アディ・ギル号を建造したというベスーン被告。資金面だけではなく、2008年6月には、約60日間という当時の世界一周最速記録を樹立しており、ベスーン被告の思い入れは格別なはずだ。弁護人は、“相棒”といえる船への思いを改めて尋ねた》

 弁護人「アディ・ギル号は、あなたにとってどんな存在でしたか」

 《しばし沈黙した後、ベスーン被告は「マイライフ…」とつぶやいた》

 被告「…私の人生そのものです。6年間…。アディ・ギル号が沈没する様子は、私の心を引き裂きました…」

 《はなをすすり、声を震わせながらベスーン被告は答えた。ベスーン被告が苦楽を共にしてきたアディ・ギル号は今年1月6日、調査捕鯨船団の監視船「第2昭南丸」と衝突、大破し、航行不能となった》

 弁護人「アディ・ギル号を失い、あなたはどんな損害を受けましたか」

 被告「……。私は…大型船にひかれる夢を毎日見ました。とにかく心が打ち砕かれました」

 《ベスーン被告は「チーン」と音をたててはなをかんだ》

 弁護人「だから、(第2昭南丸の船長に会おうと思ったのですか」

 被告「私はこのボートを沈めた本人と向き合い、彼の目を直視したかったのです」

 《検察側は冒頭陳述で、「ベスーン被告はアディ・ギル号との衝突の責任を船長に追及するため、第2昭南丸への侵入を計画した」と指摘していた。続いて弁護人はベスーン被告らから妨害行為を受けている最中に負傷したとされる、第2昭南丸の乗組員らへの思いを尋ねた》

 弁護人「第2昭南丸の乗組員に対してはどのように思っていますか」

 被告「第2昭南丸の乗組員へ、個人的な恨みは一切ありません。私が(調査捕鯨が行われていた)南極海へ行ったときは、捕鯨活動におもむいている人間は、悪魔のような邪悪な人間だと思っていました。しかし、一緒に過ごして、彼らは素晴らしい人たちだと知りました」

 《ベスーン被告は、第2昭南丸に侵入して身柄を拘束されてから、同船が東京港に戻るまでの約1カ月間を、乗組員らと共に過ごしている。これまでに証人として出廷した乗組員は、ベスーン被告に日本語を教えた乗組員がいるなど、穏やかな雰囲気だったことを証言している》

 被告「彼らは自分の職務を全うしているだけなのです。今も個人的に連絡を取り合っている人もいます。私は日本人に対しても、いかなる悪い感情も持っていません。捕鯨活動に対して、悪い感情を持っているのです。南極海は(ベスーン被告の祖国である)ニュージーランドに近く、私にとっては裏庭のようなところです。そこで行われる捕鯨に憤りを感じているのです」

 《調査捕鯨活動への疑問を呈したベスーン被告だが、改めて「日本人は我々が尊敬すべき素質を多く持っている」とも話した。女性弁護人が「今後も同じ活動を続けるのですか」と尋ねると、ベスーン被告は「私が南極海へ行ったときは、自分の信条通りに行動していました」と述べた上で、こう続けた》

 被告「今後、私が南極海へ行くことは一切ないと思います」

 《事実上、SSからの“引退宣言”ともとれる発言だが、ベスーン被告はきっぱりと言い切った》

 《ここで、男性弁護人が「できれば少しお休みをとっていただければ」と、裁判長に提案。午前11時40分、多和田隆史裁判長が休廷を告げた。約1時間35分の休憩をはさみ、午後も引き続き弁護側、検察側双方の被告人質問が行われる予定だ》=(5)に続く

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2010年05月24日

【暗流 公益法人仕分け】免許講習利権にメス 勤役員全員天下り(産経新聞)

 ■教本収入32億円

 公益法人などを対象にした政府の「事業仕分け第2弾」後半戦が始まった20日、財団法人「全日本交通安全協会」が携わる運転免許更新時講習の“利権”が取り上げられた。毎年約1500万人のドライバーが利用する講習の資料作成は、協会がほぼ独占する事業。仕分けでは「協会の独占を廃して、コスト削減をすべきだ」と判定された。

 ◆「資料活用されず必要ない」

 安全協会には平成20年度まで、国から毎年約1千万円の補助金が支出されていた。常勤役員5人のすべてが元官僚。常勤職員29人のうち3人も警察庁からの天下りだ。

 講習手数料は700円から1700円で、別途更新手数料として2550円を払わなければならない。講習時に毎回資料が配られるが、20年度はすべての都道府県で、安全協会の教本を使用。納入冊数は年約1400万部に上り、仕分け人は「隠れたベストセラー」と皮肉った。

 協会側は「安全意識を高めるために資料は必要だ」と説明したが、仕分け人側からは「実際の講習は視聴覚教材などによる講習が中心であり、資料は活用されておらず必要ない」と断じた。

 さらに、協会の調査で、講習時に配布された資料の約4割が捨てられてしまい、持っている人でも半分が読んでいないことが判明。仕分け人の蓮舫参院議員は「読んでもらえるよう努力しているのか」とあきれた。

 安全協会の20年度の収支報告書によると、協会の事業収入は約37億円、そのうち「講習用教本」の収入が約32億円と大半に上る。仕分け人がこの日提出した資料では、優良運転者講習料1人当たり700円の内訳は、人件費が300円、資料費は315円。

 仕分け人側は「ある県では『警察庁の監修で当協会が発行しており、ほかからは購入できない』ことを随意契約の理由として公表している」とした上で、「協会が独占受注する構造になっている」と強調した。

 また、資料内容をインターネット上で公開すれば、資料を配布する必要がないことが指摘され、協会側は「著作権の問題があるので…」と苦しい弁明に追われた。

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2010年05月19日

<強盗>「すき家」に2人組 数十万奪い逃走 山梨・都留(毎日新聞)

 12日午前2時10分ごろ、山梨県都留市田野倉の牛丼チェーン店「すき家139号都留田野倉店」に2人組の男が押し入り、女性店員にナイフのような刃物を突きつけ「金を出せ」と脅し、レジから売上金数十万円を奪い乗用車で逃げた。県警大月署は強盗事件とみて調べている。同店では1月11日未明にも男2人組が現金114万円を奪う強盗事件が発生、手口や犯人の服装などが似ており、同署は関連も調べる。

 同署によると、男はいずれも黒のジャンパーに黒のズボン、サングラスにマスク姿。身長170〜180センチと約160センチだった。店内には当時、女性店員しかおらず、けが人はなかった。【春増翔太】

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